
仕事に使う資料の山、企画書などなど何気なく印刷してはいませんか。
何気ないコストは思わぬ形で経営悪化の一助になってしまうことも。
そこで企業内で小さなことから節約を習慣化できる経費節約術をご紹介。
その中からコピー関連費用を削減する方法について解説していきます。
経費の内訳とコピー代金
コピーに関連してかかる費用をカットする前にこの費用は経費のどの部分に当たるかチェックしてみましょう。
経費には固定費と流動費があり、売上に関係なくかかるものを固定費、売上比例で増えるものを流動費と呼びます。
コピー関連費用について、例を挙げてみると製造メーカーなら主に打ち合わせ用資料や契約書は売上規模に関係なく増えるものですから固定費です。
学習塾の場合も売上の元となる生徒数が増えるから必ずコピー関連費用が伸びるわけではないので固定費ですね。
コピー費用のように固定費は売上に影響しない部分もあり、経費削減のメインターゲット。
経費カットの項目としてよく挙がることとなります。
経費カットの考え方
今回、コピー関連にかかる費用を抑える訳ですが、基本は経費削減案は売上に影響しないことと効果がすぐ出ることを前提とします。
しかし、効果が大きいものは大抵手間がかかるものです。
例えば、IT導入や人員整理、人件費カットは削減できる手間や費用も大きいですが導入までにかかる時間という意味では工程は多め。
そこで経費削減には優先順位をつけて処理を行います。
1 効果 大×手間 小
2 効果 小×手間 小
3 効果 大×手間 大
コピー関連費用はここでいう2番目がメインの削減案です。
また、根本的な解決になっていなければコスト削減を頑張っても結果はダメですね。
そこでまずは次の手順で課題を見つけ、則した解決策の効果が大きい小さいで実行すると楽にコストカット。
1 現状把握
2 課題の設定
3 解決策を考える
そして効果が小さめだと長期的に続けねば効果がないときがほとんどですので、長く続けられるゆとりを持った計画が経費削減には重要になります。
コピー関連費用の場合だと次にように考えられる状態に。
例
現状把握→コピー用紙 5000枚/月,
印刷複合機リース料+カウンター料基本料30000円
カウンター単価(インクとメンテナンス費用を1枚当たりに換算) 白黒印刷0.7円 カラー印刷8円
課題
・インク消費を抑えたい、カウンター料金を抑えたい
・リース料金を減らしたい
解決策
・インク消費を減らす→印刷枚数を減らす→両面・縮小
・カウンター料金を減らす→モノクロ印刷
・リース料金を減らす→契約見直し など
効果の大きさと手間
・両面、縮小、モノクロ→効果 小 手間 小
・契約見直し→効果 大×手間 大
計画
長期的にはモノクロ印刷、両面、コピーを行いつつ、機種も検討する。
上記の例のように削減案を練っていきます。
もちろんこんな簡単な話ではないのでこれはモデルの形としての紹介にはなりますよ。(笑)
次の章では費用節約のアイデアをご紹介していきましょう。
10万円以上コストを押さえるコピー関連費用節約術
ここからはコストを押さえる方法についてご紹介していきます。
コピー機の契約を見直してみる 難易度★★★
コピー複合機は昨今はリース契約がメジャーですが、型に囚われないならば購入もできる代物です。
ここではリース契約を中心に考えて見ましょう。
リース契約のメリットは最新機種を試すことができることと初期費用が抑えられること。
そのため、自社に最適な機能で必要最低限のスペックをもつ機種への変更が一つ案として浮かびます。
ただし、効果は大きいですが契約見直しなど部署担当への提案・確認作業が滞る場合は手間がかかる案件となりますね。
印刷枚数を減らす 難易度★★
コピーし損じがないことを前提で印刷枚数を減らす方法をここでは公開。
縮小印刷や両面印刷で印刷枚数を減らす方法でもカウンター料金を削減、ひいてはコピー関連費用カットにつなげることが出来ます。
例えば縮小,両面なしで1資料10枚かかるものを月300部必要とする企業だとすると白黒印刷で2100円/月です。
一方、縮小と両面加工で1資料5枚にできたなら1050円/月ですみます。
差額は1050円/月で年間では1.2万円の差が。
もちろん、1資料にかかる枚数が増えれば増えるだけ差額に開きが出てくることになるでしょう。
ですので、印刷枚数を制限してみる手もコピー関連費用カットにつながる一歩となるわけです。
もし出来ない場合はトナーやインクの消費を抑えてくれるソフトウェアの導入を検討してみる手があります。
代表的なインク削減ソフトウェアは
「TonerSaver Evolve(トナーセーバーエボルブ)」
「PrintDiet(プリントダイエット)」です。
これらはパソコンにソフトウェアをインストールしてトナー使用を設定しておくだけでインク消費を押さえることに。
特に大型複合機のリース契約ではインク代が一枚いくらで設定され、インク消費を抑えることも経費カットに有効です。
社内のみで利用するなら裏紙利用&白黒印刷 難易度★
社内のみで利用するなら裏紙利用と白黒印刷で対応する手もあります。
月5000枚印刷する企業が裏紙利用率3割、白黒印刷するとするとカラーで裏紙利用しない時と比べて3万7550円/月も差が。
年間でおよそ40万円差額が生じます。
また、裏紙利用はなしで白黒印刷した場合と3割の裏紙利用と白黒印刷併用では月額1000円ほど年間で1.2万円の差額が発生。
月毎に印刷する枚数が増えれば差額も増大。
このように徹底した取り組みで効果はわずかですが、最大で40万円削減できる可能性があります。
経費カットの極意 長く続けられる計画を立てること
コピー関連費用はリース料金の見直しはさておいて、用紙の費用削減は経費カット効果が一枚ずつはごく小さいもの。
そのため、長期的に会社全体で取り組まねばなりません。
無理なく続けるためにもゆとりを持った計画が経費削減には重要になります。
おまけ 社外分でかかる印刷費用はペーパーレスの検討も
企業規模が大きくない、地方都市の老舗だからと契約や請求書関連の書類をわざわざ自社で作成・印刷して郵送までするためには働き手の無駄遣いが起こることも。
昨今ではペーパーレスサービスを提供する企業が請求書をパソコン画面で作成、郵送や出力はサービス内容として行うこともあります。
この事で印刷費用を押さえる機会に。
そのため、どのくらいの頻度で契約書や請求書を作成しているのか、重要度と労働力をどれくらいとられているかを考えて検討してみる余地はあるかもしれません。
ただし、サービス導入費用が長期的に見ても印刷費用を上回ることもあり注意が必要です。
まとめ
今回は経費削減の中心である固定費の中からコピー関連費用を削減するパターンをご紹介しました。
コピー関連費用には印刷機そのもののリース料金、カウンター料金と無駄にしていたかも知れないコピー用紙にまつわるコストが存在。
リース料金は契約見直しで、コピー用紙にまつわるものは効果と手間の小さい取り組みを長期的に行うことで全体としてはコスト削減につながります。
しかし、経費と一口にいっても多種多様なものがあり、コピー関連費用だけではなく他のものにかかっている費用も平行してカットすることでより効果的な経費削減につながるでしょう。